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投資信託セミナーの心をつかむための施策

いわゆる「産業の空洞化」が深刻な問理題として浮上した。
大が叫ばれ、政府は何度も大規模な総合経済対策を実施した。 内需が増えれば国内向けの生産も増え、国民所得の増大によって新たな消費も可能になる。
具体的には所得減税に加え、日本は社会資本整備がまだ不十分なので、道路、下水道、住宅などの国内向け投資を思い切って増やす。 すると、建設、鉄鋼、機械メーカーなどがまず活性化し、社会のインフラ整備によって自動車、電機、運輸、旅行などの産業も活発になるというわけだ。
こうした政策はそれなりに効果を上げ、産業界も立ち直りの契機をつかんだと考えられた時期もあった。 ところが、そこへグローバルな規模での大競争(メガ・コンペティション)という新たな変革の嵐が襲った。
発端は、ソ連の崩壊で世界は一つとなり、残った唯一の超大国であるアメリカ流の効率万能、市場中心の資本主義が世界中を席巻することになったことだ。 東ヨーロッパや東南アジア、中南米の国々が安い労働力を武器に国際競争に参入。

一九九〇年代に入って活力を取り戻した米国企業は、これを好機ととらえて、積極的に市場のグローバル化を推進した。 すなわち世界を一つの市場とみなして、世界中から一番安い資材、労働力を調達して商品を生産、これを世界中で売りさばくという企業戦略を実践したのだ。
その際に必要とあれば、米国のライバル企業同士が手を組むことや、他の国の大企業とでの、従来では考えられない思い切った設備廃棄・事業再編。 日産自動車とフランスのルノの資本提携に象徴される、国籍を超える事業協力。
外資勢も絡んだ情報通信業界の激しい再編劇、これらはすべて、日本の産業界がグローバルな大競争に巻き込まれたことを示している。 さらに、金融不安で経済の血液であるお金が、産業界に十分に回らなくなったことが産業界の混乱に拍車をかけた。
銀行はバブル時代に大量に抱え込んだ不良債権の処理に追われ、メーカーなどが新規分野へ進出するのを資金面で支えたり、ベンチャ企業の出現を手助けするといった余裕が乏しくなった。 それどころか、自らの経営健全化のため融資資の合併・提携もいとわなかった。
自動車業界で、ドイツの巨人・ダイムラと米国のビッグ3の一角・クライスラという「世紀の大合併」が実現したことが、メガ・コンペティションの激しさを象徴している。 まさに「ビジネスに国境はなくなった」のかである。
紬こうなると、産業の空洞化懸念どころではめない。 日本の企業も世界市場で生き残るため計に、欧米企業との提携・合併を模索する一方、設備廃棄や人員の大幅削減などのリストラクチャリング(事業の再構築、リストラ)の断卜行を迫られることになった。
九〇年代の後半に起こった、日本を代表する大企業の相次ぐ大幅人員削減や事業売却(本社ピルまで売る企業も珍しくないほどの本格的なもの)。 鉄鋼、化学、製紙業界など金の回収を急いだことから、倒産に追い込まれる企業が続出する有り様だ。
そこへ米国の金融機関が、デリバティブなど世界で最先端を行く金融ハイテク技術を武器に、一気に参入してきた。 証券業界では、四大証券の一角を占めた山一護券が経営破綻したのを受け、米国のメリルリンチがその社員を大量に一雇い入れて、日本での証券業務を本格化。

また、ソロモン・スミス・パニは、やはり四大証券の一つ、日興護券と全面提携して日本市場に本格的に進出してきた。 このほかリス会社や消費者金融会社、保険会社などでも、米国企業に買収されたり全面提携したりする企業が相次ぎ、ついには一時国有化されていた日本長期信用銀行という巨大銀行までが、米投資会社のリップルウッド・ホルディングスに譲渡されることになった。
日本の金融機関がここまで外資勢に追い込まれた原因は、欧米金融界の経営理念を大幅に取り入れたB、S(国際決済銀行)の自己資本比率規制を安易に受け入れたせいだといわれる。 そして産業界にも、この金融界のB、S規制に劣らない衝撃を与える「黒船」がやってきた。
それが二十一世紀にかけて始まる「会計ビッグバン」だ。 二〇〇〇年三月期決算からの連結中心主義への移行を皮切りに、キャッシュフロ計算書開示、時価主義の逐次導入、退職給付債務(年金・退職金)の積立不足の開示などが企ことだ。
株式市場を中心にしたマーケットの価が企業の命運を左右する。 マーケットが経営に不安を持ち、株式を売り叩けば、その企業の経営者がいくら経営不安を否定しようと、資金調達がむずかしくなっているのが現状だ。
経営破綻に追い込まれた金融機関やゼネコン(総合建設会社)に、最後のダメ押しをしたのはマーケットだった。 経営破綻にまでは至らなくとも、日本企業はバブルの後遺症で多かれ少なかれ負債を抱えているから、経営者にとって市場の価は気になるところ。
大企業がこれまでの温情主義を打ち捨て、労働組合との協調関係を壊してまで大規模なリストラを強行するのは、中長期的には大競争に打ち勝つためだが、目先的にはマケッ業に義務づけられる。 日本の会計制度では従来、連結決算に加える子会社の範囲が欧米に比べて狭く、連結に加える必要のない関連会社を使って、売り上げの「飛ばし」や人員削減が行われてきたとされる。
しかし、より厳格な連結中心主義への移行で、歴代の社長を送り込むなど「実質的に支配」していれば、連結に加えねばならなくなる。 計名門企業が「事業の選択と集中」を重要経側営戦略に掲げて、不採算の事業や関連会社を切り離し、得意の分野へヒト、モノ、カネを卜集中投入しているのも、連結中心時代に備え総てのことである。

そうした企業の変革を後押ししているのが「市場の圧力」である。 九〇年代のもう一つ礎の特徴は、マーケットの力が急速に強まったトの価を得るのが目的である。
事実、九九年春からのリストラ発表ラッシュでは、リストラの発表が早いほど、またその規模が大きいほど、マーケットは価し、株価は値上がりした。 これまで日本の企業風土には、企業のM&A(合併・買収)は馴染まないとされてきた。
力(資金力)にものをいわせて、無理やり他社を傘下に収めるのは、日本人の信条に合わなかったからだ。 ところが、大競争時代を迎えて、状況は様変わり。
きのうまでのライバル企業同士が協力して、お互いの不採算部門を分離した共同子会社を設立したり、親会社が外資系企業に持ち株を売却、いきなり外資の傘下に入ったり、などということが珍しくない時代となった。 M&Aに対する抵抗感も急速に弱まっている。
大競争時代を支配する企業の経営指標は効率性だ。 手持ちの資金でどれだけ多く稼ぐかが重要となる。
巨額の売上高を誇り、多くの社員を擁する大企業でも、経営効率が悪ければ、図体がでかい割に利益の出ない経営体質として「市場の非難」を受ける。 経営効率を改善しない限り、有名企業でいくら社名が知られていても、株価は低迷を続け、資金調達コストも割高となるのだ。
こうした効率性追求の大きな流れには逆らい切れず、日本的な経営の伝統を大切にしてきた総合電機メーカーや高炉各社でさえ、不採算部門の本体からの切り離しを余儀なくされている。

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